正規分布の覚え方

正規分布ガウス分布)の確率密度関数の式って覚えづらいですよね。今回は自分的に頭に入りやすい覚え方をまとめる。

覚えたい式を以下に書いておく。これを一度見ただけで覚えられる人は天才。

 f(x) = \frac{1}{\sqrt{2 \pi} \sigma}\mathrm{exp}(- \frac{(x-\mu)^2}{2 \sigma^2})

正規分布の式の覚え方

気合いで覚えること

まずは ガウス積分 の結果を覚える。

\int_{-\infty}^{\infty} \mathrm{exp}(- x^2) dx = \sqrt{\pi}

ここで被積分関数 \mathrm{exp}(- x^2)確率密度関数っぽくしたい。全区間積分が1になるように正規化した関数を考える。ガウス積分の結果を考慮しつつ以下の確率密度関数  f(x) を作る。

 f(x) = \frac{1}{\sqrt{\pi}} \mathrm{exp}(- x^2)

この関数の形はこんな感じである。

f:id:t-keita:20220108013850p:plain:w300

そして、これが 平均 0, 分散  \frac{1}{2}正規分布 になっていることを覚える。

覚えることは以上である。なんならこの平均と分散は計算して導いてもよい。

平均と分散を調整する

ここから平均  \mu、分散  \sigma^2正規分布の式を導きたい。

まずは分散を調整する。具体的には関数  f(x) の分散を  \frac{1}{2} から  \sigma^2 にしたい。

標準偏差でいうと  \frac{1}{\sqrt{2}} から  \sigma にしたいので、関数を  x 軸方向に  \sqrt{2} \sigma 倍に拡大すればよい。これは  x \frac{x}{\sqrt{2} \sigma} で置換すればよい。

 f(x) = \frac{1}{\sqrt{\pi}} \mathrm{exp}(- (\frac{x}{\sqrt{2} \sigma})^2)

おっと、面積も \sqrt{2} \sigma 倍になってしまったので定数も修正しよう。

 f(x) = \frac{1}{\sqrt{2\pi} \sigma} \mathrm{exp}(- (\frac{x}{\sqrt{2} \sigma})^2)

最後に、平均が  0 から  \mu になるように調整する。

この関数は平均が  0 なので、平均を  \mu にするには  x 軸方向に  \mu だけ平行移動すればよい。これは  x x - \mu で置換すればよい。

 f(x) = \frac{1}{\sqrt{2 \pi} \sigma} \mathrm{exp}(- (\frac{x - \mu}{\sqrt{2} \sigma})^2)

これが  \mathcal{N}(\mu, \sigma^2)正規分布だ。

おしまい。